事業について About project
事業の概要
本学は、学長のリーダーシップのもとで、新しい平和科学(安全・安心を実現する「創る平和」)を創成します。 本学の強みである放射線医学、再生医療、がん等の診療分野とワクチン・医薬品開発において人材育成を強化 し、中国四国地方におけるトップレベルの研究実績を基盤とした基礎と臨床の連携により臨床研究を地球規模でけん引します。本事業はトランスレーショナル教育研究支援センターが司令塔となり、①高度な臨床・研究能力を有す る医師を養成する支援プログラム(SPARK!Plan for MED) ②国内大学唯一のGMP設備を有するGMP教育研究プロ グラム ③大学敷地内に移転する放射線影響研究所と連携した世界随一の共同臨床研究拠点、を主軸に展開します。 医師の働き方改革の中でも、支援者活用による教育研究時間を確保する施策と体制を整備し、人材育成と国際的な教育研究拠点として医学・高度医療の持続的な発展と研究力の強化に貢献します。
事業責任者紹介
理事・副学長 (霞地区・教員人事・広報担当)
田中 純子 (Junko Tanaka)
2024年8月26日、文部科学省の「高度医療人材養成拠点形成事業-タイプA」に、広島大学が提案した「平和科学を基盤とする臨床基礎融合を目指した人材養成イニシアティブ~SPARK! Plan for MED ~」が採択されました。
この事業のタイプA は全国の10大学が採択され、広島大学は中国四国地方で唯一の採択校となりました。これにより、2024年から2030年までの6 年間の補助を受けることで、独創性のある研究と多様な教育プログラムの展開を一層推進する機会を得ることができました。
本事業が設立された背景には、医学をはじめとする日本の科学論文の世界シェアが低下している現状があります。特に医学分野では、今後も医師の働き方改革を含む多くの課題が予想される中、大学・大学病院が持つ医療機関と研究機関と教育機関としての役割が重要視されています。地域医療の質向上や効率的な運営を支えるためにも、それぞれの大学が特色ある研究と教育を通じて、効果的な人材育成と組織力強化を行うことが求められています。医学研究者の養成や診療参加型臨床実習の充実による高度な臨床能力を有する医師を養成することも併せて必要とされています。
広島大学が申請し、採択されたタイプA は、臨床と基礎が一体化した体制を整備し、大学全体の診療領域で国際レベルの研究を進めることを目指すものです。これにより、基礎研究と臨床研究の両面で知識と技能を兼ね備えた医師を養成し、国際的な研究力強化と共に高度な臨床教育を行う拠点の形成を図ります。
運営体制
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01 / TraERCの設置
本事業の司令塔機能を担う組織として、医療政策室下にトランスレーショナル教育研究支援センター(TraERC)を設置します。教育活動支援の医学部の医学教育セ ンターと病院の医科領域臨床教育センター、研究活動支援の学術・社会連携室の未来共創科学研究本部やオープンイノベーション本部における全学研究支援組織、臨床研究支援の病院の広島臨床研究開発支援センター、教育・研究・診療活動の場である学部、研究科、研究センター、研究拠点及び病院、外部連携機関を横断的・戦略的かつ シームレスに繋ぎ、有機的に連携する運営組織体制を構築します。
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02 / 連携構想
放射線医学、再生医療、がん(小児等)を基軸に、継続的に質・量共に高い国際競争力の医学研究を推進し、他大学や研究者、企業等の事業機関をけん引する体制を強化していきます。本事業は、これら既存事業、更に協力機関や国際連携機関など様々なステークホルダーと国際レベルの医学研究の遂行及び社会実装のため教育/研究での連携を深化させ、持続可能な発展を導く世界トップクラスの教育研究拠点を構築するものであり、本学ビジョンと目的を一とし、事業の着実な遂行と事業成果の展開を図ります。
事業継続に関する計画
広島大学病院は全国の国立大学病院が厳しい経営状況の中で数少ない良好な経営状況にあり、本事業の取組みは、本学の医学教育研究体制の中心となるエコシステムとして取り入れ、人材の確保も含め継続的に実施していく予定です。また、本事業で更に強化した医学研究力とCRCHをはじめとした伴走支援部門の連携により、競争的外部資金や共同研究資金の獲得を底上げさせていくことで、研究者としての自立とともに本事業での支援者を雇用費の 一部を確保する好循環を生み自立化を支えていきます。さらには、2022年に広島大学「インドネシアチャプター(同窓会)」を立ち上げ、病院に「インドネシア医療関連共同研究講座」を設置しました。チャプターのネットワークを活用し、現地に進出する日系企業や現地企業・大学・研究機関及び大使館や行政機関・JETRO等のステークホルダーが協働して、留学交流、産学官連携等の活動を現地の中核的な病院や大学と連携し、医療技術の向上や医療人養成を目的とした事業を展開しており、本事業等モデルケースの海外への導出や技術協力等により得る利益を 元手に拠点の自立化を目指します。